2011/11/01

おいしい時間



先日の土曜日の夜、食事に出かけました。

場所はパリ15区にあるビストロ、'Le Beurre Noisetto' です。同居人はずっと行きたいと思っていたようで、人気店だともいうので前日に焦って予約しましたが、すんなり取れてよかった。

シェフは以前、パリの3星レストランに勤めていたらしいのですが、独立してつくったここのコンセプトはクオリティの高い物をリーズナブルに。そうなったら期待するしかないでしょう〜、とわくわくで向かいました。

夜は32ユーロのコースのみ。黒板に書かれたメニューの中から前菜、メイン、デザートと好きな物を選びます。


さて、秋のフランスはジビエの季節。

「ジビエ」とは野性の鳥獣のこと。この時期、鹿や野うさぎ、キジ、雷鳥(!日本では特別天然記念物なのに!)などの猟が解禁になります。それがお肉屋さんやレストランのメニューに並ぶわけなんですが、日本ならキノコや栗、柿、梨を見かけて秋を感じるのと一緒ですかね?

同居人は料理人という職業ゆえ、この季節を大変楽しみにしておりました。メニューの中に、'Lièvre'(野うさぎ)の単語を見つけて興奮状態に。というわけで彼は野うさぎ、わたしはお魚のタラをメインとして選びました。

とりあえずは前菜から。豚足のカルパッチョと仔牛の頭のグリルです。

Carpaccio de pied de cochon

Roulade de têtê de veau poêlée

…なんだかうまく日本語にできなかったので、フランス語で書きます。'têtê de veau' (仔牛の頭)はこのお店のスペシャリティ。ものものしい感じはなくって、うまく煮込んであります。おいしい!

カルパッチョも一気に食べちゃいました。コラーゲンたっぷり。ピクルスやクルトン、レンズ豆が入っていて食感も楽しめました。

次はメイン。お魚のタラです。

Brandade de haddock

タラのほぐし身とじゃがいもがフワっと合わせてあって、泡のソースでさらに柔らか。まさに冬にお似合いの味。このままグラタンやパイ包みにしてもいいかも、と思いました。

で、もうひとつは例の野うさぎ。パイ包み焼き、フォアグラ入り。

Tourte de feuilletée de lièvre


グリルしたうさぎ肉の焼きぐあいはちょうど良く柔らかく、パイの中身もジューシーでフォアグラともよく合っていました。

…しかし、この野うさぎ、くせ者です!ジビエのお肉は基本的にどれもクセがあるらしいのですが、野うさぎは別格!

口に入れたとたん広がる、食べものでは今まで嗅いだこのとない、野性のにおい…。ガスくさい?失礼ですが。異臭とまで言うと怒られるかもしれませんが、すごいです、これは好き嫌い分かれます。この時期に'Lièvre' という単語を見たときは覚悟してください。でもね、食べてみてほしい。

ジビエってゲテもの?…ではないですけど、変わりダネばかりなので苦手な方もいるかもしれません。でも、そういう方には牛豚鶏を食べていただくとして(もちろんそれも美味)、そうでない方は、ぜひともこの時期ジビエを食べていただきたい。これぞフランスの醍醐味。フランスにはお肉の扱いに長けたシェフがたくさんいますから、くせ者食材でもおいしく調理してくれると思います。そしてそのひとつがこのビストロかと。

逆にこんな肉食の国、ベジターの方にはつらいのでありまして。ここ最近はベジター料理を置くお店も増えているようですが、そうでなければ必ずメインにお肉かお魚(感覚で80%はお肉)、カフェでサラダを頼んでも、なにかしらお肉の要素が入ってきますから…。

…と、話がずれましたが、こんな余計な話をしながら楽しむのが食事ってものです。前菜・メイン・デザートの3皿でだいたい3時間は楽しめます。この日の店内はそれを楽しみに来た人たちで満席でした。

そして3皿目のデザート!おいしい料理が続いたので、期待大です。


こちらは秋のフルーツのキャラメリゼ、パンデピスのアイス添え。パンデピスとは、スパイスがたくさん入ったパンのこと。そのアイスなんてどんなものか!?…の好奇心で注文してみました。


このアイス、シナモンなどの香りが広がって、フルーツで甘くなった口をさわやかにしてくれます。身近でいうなら紅茶のアイスのような。うん、美味です。

もう一品は、チョコレートムース。


チョコムースって、甘くて最後には飽きちゃうのであまり好きじゃないんですが、これは感動です!チョコの味というよりもココア豆のビターな味。甘さとのいいバランス。シンプルですが美味です。これは目からウロコでした。

ワインも合わせて、食後にコーヒーも飲み、おいしいものとおしゃべりを楽しんだ3時間。幸せです。しかもこれだけ堪能して、ひとり32ユーロ、プラス飲み物。これはパリでは破格と言っていいお値段です。ちょっと街外れにありますが、来る価値アリ。友人におススメもできます。

このときは冬時間になる直前の夜。幸せな気分で、1時間長い秋の夜長を過ごせました。おいしいものって、いいな〜と実感した夜でした。




2011/10/28

ご無沙汰であります。

大変長いこと空白の時間をつくってしまいました。

前回の日付はいつかな、と思って見返してみると、9月7日ではないですか!もう2ヶ月ちかくになろうとしているなんて…。申し訳ないというか、腰が重い自分が嫌になります。

ちょうど前回の日記の直後のことですが、フランス語の学校にまた通いだして、それが意外と大変のなんの、宿題や新しい単語やなにかで、今まで使っていなかった脳みそが溢れかえっていたのでした。さらに10月からはちょっとした仕事を始めたので、時間がなくて板挟み。…まあ、そんなのは全部言い訳ですが。

そもそも真面目すぎるのがいけないんだ!な〜んて。

いやね、「ブログ」というかたちで書くとなると、良い恰好しぃなので必要以上にピシッとしようとしてしまうんですが、実はいかんせん、いい加減な人間なもんで。くだらないことで頭がいっぱいだったりします。お酒を飲むと、くだらないことしかしゃべれない、ということに最近気づきました。ただ、不器用ですから、こんな場所では難しいです。緩急の調節がうまくできないです。

でも、あえてここで宣言します。もう少しいい加減に、気楽に書くことにいたします。そうしないと「いきなり豹変しおって!けしからん!」とか言われちゃうからね。言わないでね、胃が痛くなっちゃうから。

ちょっと変な発言とかあってもお許しください。それもわたしです。読んでくれる方はこれからもよろしくです。また近々、書きます。

A la prochaine fois!

2011/09/07

コーヒーを淹れる


最近なんだか無性にコーヒーが飲みたくなります。

今パリには秋の風。その冷んやりした空気とコーヒーの苦い香りとの相性が、ぴったりに思えるからでしょうか。もちろん、冬のシンとした寒さと白い息にも、コーヒーは合いますが。

以前住んでいたデンマークで、すっかりコーヒー党になりました。デンマーク人もコーヒー大好き。しかもとっても濃いやつをなみなみ注いで。暗い冬の夜、コーヒー片手に本を読んだり、家族とおしゃべりしたり。そんな風にくつろぐひとときは彼らにとって最高の時間です。そう考えるとやっぱり、寒さとコーヒーって合うんだな、と納得しちゃいます。

フランスでは、初めてコーヒーを頼んだときにびっくり。ちゃんと「コーヒーください」と言ったはずなのに、エスプレッソが出てきた。…と思ったら、フランスの「コーヒー」はいつもエスプレッソなんですねー。手のひらよりも小さいカップに入ってるあれを、ちびちびすするのがフランス人。

こちらにきてもう半年近くになり、もう慣れっこになりましたが、初めはエスプレッソが苦手でアメリカン(…のようなもの)を頼んでいました。おかげで 'Cafe allonge, s'il vous plait.' という言い方も覚えられたのですが、あるとき出てきたものがこんな感じでまたびっくり。


ちょっと多めのエスプレッソと、お湯。
自分で好みに薄めてねってことなんでしょう。まあ、薄すぎるものが出てくるよりはいいのですが、これでいいの?って疑問に思いませんか。でも当たり前の顔で出されたら、逆にこれが本当のアメリカンなんだ、と思わされてしまいます。

フランス人は家庭でももちろんエスプレッソ。マシンさえあれば、簡単に淹れられます。ネスプレッソというメーカーが人気のようで、専門店では長蛇の列ができているのをしばしば見かけます。


この写真のような、カラフルなポーションをマシンにセットして、ボタンを押すだけなのでお手軽。何種類ものフレーバーが選べるのも魅力なんだと思います。

一方のわたし。そのエスプレッソマシンが家にありましたが、知人にあげてしまいました。慣れたといっても家ではやっぱり普通のコーヒーが飲みたいですから、いらないものは処分処分!

そしてパリに来る前からずーっと考えていたことは、コーヒー豆を挽いて飲むこと。日本でもフランスでも、お豆は売っているし、あとはコーヒーミルを買うだけ…と分かっていながらも、なかなか手が出ずにいました。…が、最近ついに実現!


この古びた感じ、お分かりでしょうか。中古です。しかもカビっぽいにおいのついた。でもいい味だしてる。

買ったのは、旅行先・プラハのがらくたショップ。まさに「がらくた」というにふさわしく、無造作に物が置いてあるアンティークショップでしたが、同行人とともに気に入ってしまい、2日間連続で通いました。ミルは同行人がひと目惚れ。しかも350チェココルナ、約14ユーロと、お買い得価格で即決でした。

さて、家に帰ってさっそく豆を購入。…したものの、ここからが長かった。まずドリッパーが家にない。今までインスタントコーヒーで省略していたので、道具が揃っていなかったのです。

前述のとおり、エスプレッソ中心のフランスコーヒー社会、わざわざ豆を挽いて、ドリッパーで淹れようなんて人は珍しいのか、探せど探せど見つかりません。百貨店にも台所用品屋さんにもない。すぐ買えるだろうとタカをくくっていたけれど、探し方が悪いのかドリッパーのドの字もなし。ドリップ方式で淹れる人はみんな、コーヒーメーカーを使ってるってこと?


そう、これ。ちなみにドリッパーはポットの上に乗せて、コーヒーを濾す道具です。

実はドリッパーもこだわって、カリタ式にメリタ式、コーノ式…とリサーチをして買うものを決めていましたが、そんな場合じゃない。見つからないんだもの。ええい、この際なんでもいいわい!…と思っていた矢先、絶対あるはずないと思って行かなかった近所のしがないスーパーにあったのでした。灯台下暗しとはこのこと。プラッチックの5ユーロのやつだけど、見つかっただけで万々歳です。

そしていざ、豆を挽くぞ!となったとき、また足りない物が…。それは紙フィルター。買っておいたのに、サイズが小さすぎて、ムリヤリでもれられないほどだったのでした。がっくり肩を落としてその日はあきらめ、翌日改めてフィルターを買いなおし、やーっとコーヒーにありつけたという具合。

そうしてれたコーヒーは、ちょっと苦労した分のサービス点がついて、なかなか満足のいくものでした。豆挽き初めてにしては合格点。調子に乗っておなかを壊すくらい飲みました。豆を挽くことの手間はすこしかかりますが、それも楽しい作業。美味しいコーヒーを淹れられるようにこれから研究しなきゃ、と思うこともまた、嬉しい。

だんだん暗く、寒くなるパリの秋ですが、しばらくは楽しい朝のひとときが過ごせそうです。




2011/09/05

チーズ三昧


パリは秋です。

今年は(…といっても例年を知りませんが、)ずーっと夏を待ちこがれていたのに、待てど暮らせど本格的な夏はやってこず。暑さが1週間と続いたためしがありませんでした。

この週末はすこし暑くなりましたが、それも結局最後の悪あがき。今吹いてくる風にはすっかり秋のにおいが混じっています。この際だからいっそのこと、ウェルカム・秋!すっぱり気持ちを切り替えて、秋を満喫しようじゃありませんか。


さて、本題は先週のはなし。

気持ちのいい秋晴れの中、友人・ミーさんと昼下がりのランチ&お茶へ。

ミーさんとはご縁があってパリで知り合ったのですが、彼女はわたしが日本で働いていたときの同僚・ユーさんのいとこ。出会ったきっかけはユーさんの妹さん・エーさんが偶然にもスイスに住んでいて、彼女がパリに遊びに来たときに、紹介してもらったのでした。こんな風につながっていく、人生って不思議。

ちなみに彼女は、夜中にイカをさばいたりするような、不思議な乙女です。(こんなこと書いちゃってよかったかしら…)

で、場所はパリ市内にある “Salon du Fromage HISADA”

1階は正真正銘のチーズ屋さん、たくさんのチーズの中から自分の好みのものを探すことができます。日本の方が経営しておられるお店で、親切な店員さんが日本語で相談にのってくれるのが安心です。

その2階部分には食事スペースがあり、もちろんお茶もOK。以前からここのチーズケーキが気になっていたので、念願かなっての訪問です。

でもその前に、ちょっと腹ごしらえ。ランチメニューのチーズビュッフェを注文しました。スタッフの方が選んだ数種類のチーズと、サラダ、パンのビュッフェです。

まずは前菜にガスパチョにチーズが乗った一品。


わぁキレイ。でもこのチーズの名前、、忘れてしまいました。まわりについてるのは青カビじゃないんだけど…なんだっけ。さっぱりトマト味に合う、コクのあるチーズでした。

そしてチーズビュッフェ。


ひと切れづつ取っていっても、けっこうのボリュームです。好きなだけ食べていいのですが、2回目はちょっと控えめにならざるを得ませんでした。

それぞれのチーズを店員さんが説明してくれて、そのときはちゃんと覚えていたはずなのに…。でもどれも美味しかった。チーズ好きとしてはかなり楽しめる内容です。

そしてついにデザートタイム。2種類のチーズケーキがあるというので、ひとつづつ注文してみました。

こちらが Gâteau d'Or「黄金のケーキ」という名前のチーズケーキ。


しっとりしていて、濃厚だけど重すぎず、酸味が効いていて美味しい。ぺろっと平らげてしまいました。

そしてこちらが変わり種、Tourteau Fromage(トゥルトー・フロマジェ)です。


シフォンケーキのようなふわふわしたケーキで、ヨーグルトのようなさわやかなお味。でもこれ、裏返すと…


黒い!不思議。

フランス西部、ポワチエ地方名物のケーキだそうです。この黒い部分は、食材うんぬんではなく正真正銘のおこげ。味をつけているわけではないので、本当に苦かったです。なんでも、ケーキ職人が間違って焦がしてしまった(だめじゃん)ことから作られるようになったとか。ここまでキレイに焦がすのは逆に難しいと思いますが、フランス人って器用なんだか不器用なんだかよく分かりません。

こんな感じで食べながら、しゃべってキャーキャー言っていたら、楽しくてあっという間に3時間も経ってしまいました。まだまだ時間が足りない気がしましたが、お店の方にもご迷惑だといけないので、またミーさんお茶してくださいね。

そして帰りには1階でチーズをいくつか買って、夕ごはんにはとろとろチーズのラザニアと、フレッシュチーズのサラダで、チーズ食べまくりの一日でした。楽しかった。



2011/08/27

ほりだしもの


自己紹介で「週末は蚤の市に出没」なーんて堂々と書いておきながら、一度もそれについて触れたことがないとは、驚き桃の木…

そこで今日のテーマは蚤の市です。

パリで蚤の市といえば、二大蚤の市(?)と言われているクリニャンクールとヴァンヴ。それぞれパリの北と南に位置している有名蚤の市で、そこへ出かけるツアーも多いようですが、どちらも価格設定がやや高めなのが難点。ヴァンヴは比較的安いですし、確かに良いものやおもしろいものが見つかるので行く価値はありますが、わたしには街中郊外問わず、そこらで週末に開かれる蚤の市の方が面白い。

だいたい4月から9月にかけてが蚤の市シーズンでしょうか。7〜8月はバカンスにでる人も多く、数も少なくなるものの、通りではあいかわらず予告ポスターをよく目にします。それからわたしはこのサイトで検索もしています。

開催日と開催場所(通りの名前)が載っているので、地図で場所を確かめて、いざ!この場合、品揃え、価格帯、盛況ぶりなどは行ってみないと分かりません。開催される地域の雰囲気で価格はなんとなく分かりますが、なにも知らない方が落ち込み度も低くてすみますしね。逆に自分ん好みど真ん中だったりすると、その日一日はいい気分ですごせるんです。



たいていは通行人がいっぱいの通りに、ごちゃっと商品が並んでいます。なかには明らかにきのうまで使っていたような家の不要品を置いてる人も…。

古いものなので触りながら見ていると(ディスプレイに凝っているお店では、触るときに断った方が良策)手が真っ黒!これも醍醐味。あたりに漂うカビ臭さがまた蚤の市心をくすぐるのです。

あるとき、こんなの見つけました。


えっ、インドの神様…?分かる方、解説してください!

昼下がりの蚤の市、右手が招き猫のごとく、おいでおいでしていました。ここだけなんだか悠久のガンジス川のほとりにいるような…?雰囲気が違います。買おうとしたけれど、同居人に止められました。確かに…置き場所に困る。

ここ半年間のヒットといえば、これです。


スパイスラック。
この古びた感じ、いい味出してません?しかもフランスに来てから頻繁にスパイスを使うようになったので、重宝しています。タイム、ローズマリー、オレガノ、コリアンダーなどを入れてます。


ラベルもきれいだし、ビンの中もしっかり洗ってある。


引き出しにはローリエの葉っぱも入れられるなんて、すてき!
これで7ユーロとは、とってもお得な買い物でした。

「アンティーク」とは厳密に言うと100年以上前のものを差すそうで、王家の歴史を持つフランスではキンキンキラキラ、正真正銘のアンティークが並んでいます。ただ、申し訳ないけれど若輩者のわたしにはきらびやかなものは恐れ多く、わたしが買うのはアンティークというよりも、がらくた、という呼び名の方がふさわしい。おじいちゃんの家の物置から出てきたような、年季の入ったものが魅力的に感じられるんです。

この時計なんかそんなひとつ。


見方を変えれば、本当にがらくたかも。だって King of Duty Free って書いてあるんですもの。なんだか怪しい。タイの国旗がついているので、売られていたのはおみやげ屋さんか、空港の売店か。ただ、問題なく動いているので、我が家のメイン時計として活躍中です。

その機能を知ったとたん、文句なしに買う気になったのがこの黒電話。


懐かしい!昔こんなの使ってましたよね。でも0〜9の番号ではなくアルファベットがふってあり、少しへらべったいので不思議に思いましたが、機能に気づいて納得。


電話帳でした!残念ながら使用済み、A〜Zまできれいに使い切ってありますが、中身を同じように作れば再利用もできるはず。

こんな風に、日常のちいさな楽しみのようなものが見つかるので蚤の市はやめられません。今後の野望としては、レコードプレーヤーと古びたレジスターを狙っています。レジはデジタルではなくガチャガチャッ、チーンとやる、


…ああ、まさしくこんな感じ。洋服屋さんやアンティークショップで今でも使っているところがあり、とっても魅力的だったので、いつかは自分も!と思っているのでした。

さて、8月も終わりに近づき、そろそろみんなバカンスから戻ってきている頃だと思うので、ぼちぼち蚤の市に繰りだしてみます。なにかまた、いいがらくたが手に入ったらお知らせしますネ。

À bientôt!



2011/08/26

Je m'éveille!


読み返してみると、書いているのはフランス国外のことばかり。でもどう間違ったのか現在パリ在住なので、襟を正して少しフランスのことでも書きましょうか。

フランスが大好きでパリを愛してやまなくて、はたまた田舎風景には老後の夢をみる、という方、たくさんいらっしゃると思います。

こんなぶどう畑に囲まれた、のんびりした生活、いかがですか?


ただ、そんな方たちには申し訳ないですが、わたしはフランスについてなんにも知らないままパリへとやってきてしまいました。受験勉強以来、フランスの歴史なんて宇宙の彼方に飛んでいってしまった。ましてやフランス語を始めるなんて夢にも思っていなかったこと。過去に習いたい衝動に駆られたものの、本気じゃなかったのですぐに忘れてしまったんです。

4月にパリの地を踏んだときには、ボンジュールくらいは言えましたけども、あとはもう分からないことだらけ。噂どおり、フランス人は英語を話さない(最近の観光地では増えている気がするけど。本当はやればできるんじゃないの?)のでやるしかない。でも動詞の活用って、名詞の姓ってなんのこと?街かどやテレビで常に目にするフランス語は、まるで呪文のよう。フランス語能力ほぼゼロのわたしにとっては宇宙に来たも同然でした。

ヨーグルトのパッケージ。これだって暗号に見えたし、


メニューだって当時はちんぷんかんぷん。


それから曲がりなりにも半年が過ぎて、フランス語学校に通うようになって、ずーっと雲の上の存在だったフランス語も、やっと「近所に住む芸能人」くらいの存在になりました。まだまだ距離はありますが、地上に降りてきてくれただけでも御の字です。

わたしが受けた授業は論理的に組み立てられていて分かりやすかった。前回までのことを次回に応用できるようになっていて、繰り返し使うことで言葉を覚えられ、文法の説明もしっかりしてくれました。もちろん男性・女性名詞の区別のように、深く考えてはいけない部分もたくさんありますがね。

担当の先生はエネルギーにあふれる人で、ひっきりなしにしゃべってくれたので、音にも慣れ、自分も話すというサイクルもできました。

英語圏で英語を習ったことはないのでその方面はわかりませんが、こちらではフランス語の教授システムがきちんと整っているように思います。多くの著名人を輩出したソルボンヌ大学(正式にはパリ第四大学)では1919年からフランス語講座を開いているというし、長く積み重ねられた経験から、初心者にも分かるようなシステムができているのでしょう。

市内にはフランス語を教える語学学校があまたとあり、本屋さんにはフランス語学習の教科書、参考書がたくさんならんでいる。まあそれだけに、行く学校や先生、使う教科書でだいぶ差はあると思いますが、やらざるを得ない状況になると人は学習するものなので、入り口がたくさんあることはありがたいのかも。

こうして、わたしにとってのフランス語が、暗号解読から普通の語学学習へ変化したことで、少し気づくことがありました。今まで日本にはなんてたくさんのフランス語があふれていたことか!と。お店の名前、商品名、芸能人などなど。トワエモアなんてカタカナで書いてあるから妖精の名前かと思ってたんですが、Toi et Moi(あなたとわたし)だもんねー。

「オーシャンゼリゼ」という歌、ありますよね。


イメージではこんな感じ?
パリのきらびやかな通り、シャンゼリゼをテーマにした歌で、これをずっと「OH!シャンゼリセ」だと思っていたけれど、このあいだ授業で聴いて、'Aux Champs-Élysées'(シャンゼリゼ)という意味のオ(aux)だと知ってプチ衝撃を受けたのでした。シャンゼリゼの綴りを知ったときだって脳みそがちょっと動いた感じだったし。

わたしのiPodには 'The Best of French Pops' というアルバムが入っていて、意味も分からずひたすら聴いています。で、これまた授業で歌を聴き、それがiPodにあるメロディーとフレーズだったのですが、ここでもまた脳みそが揺れました。なんども聴いていたサビ部分の意味がやっと分かったんです。曲名は 'Il est 5 heures. Paris s'eveille'、「朝5時、パリが目覚める」


早くて歌詞がよく聞きとれないんですが、とても印象に残っていました。サビの 'Paris s'eveille' というのは聞こえやすいかと思います。

これは午前5時、早朝のパリの情景。牛乳屋が牛乳を運びはじめ、掃除屋が掃除を始める。街中の店が開店の準備をし、パン屋はパンを焼く。とってもフランスらしいのが、酔っぱらいや女装した人、ストリッパーも出てくるところ。でも、それがパリ。それはまた、情緒があっていいと思います。

ちなみに動画にうつるパリの街並は、ほぼ最近のものと思われるので、歌ができた当時のものではありません。しかも早朝でもありません。あしからず。

そう、そしてふと、東京の自由が丘に「パリセヴェイユ」というケーキ屋さんがあることを思い出しました。ここにもまたフランス語!歌からインスピレーションを受けたのでしょうか。ケーキ職人の友人のすすめで行ったのですが、丁寧に作ってあるケーキで美味しかった。

こんな風な発見があると、ときおりパズルを解いているような感覚に陥ります。
Je m'eveille!わたしも目覚めた、です。複雑なルールはたくさんありますが、巷で言われているほどフランス語って難しくない…と思うようになりました。まあ、今やっていることがまだ氷山の一角だってことは重々承知ですが、言葉はしょせん言葉、そんなに固く考える必要はないってことです。少なくとも大学時代、友人がヒーヒーと苦労してたのを見ていたときの印象とは変わりました。

確かにやっていて嫌になることも、頭が痛くなることも(これホント。久々の勉強だから…)あるけれど、もう少しがんばってみようかな、という気持ちです。どこまでやれるか、28歳の挑戦はつづくのです。

それではみなさん、Bon week-end!





2011/08/24

プラハつれづれ


さて、まだ記憶が新しいうちに、チェコのことを少し。
プラハには約1年前に行っていたのですが、今回あらためて思ったプラハ(もしくはチェコ)の印象をいくつか書こうと思います。あくまで独断と偏見、そしてホントに些細なことですけれども。


1.チェコ人はクミンがすき?

クミンはスパイスの一種で、あまり日本ではポピュラーじゃないかもしれませんが、たぶんカレーに1番使われてるんじゃないかな。海外だとインドではもちろん、中東やスペイン・モロッコなんかでも人気のスパイス。フランスでもよく見ますが、チェコ料理でも使われてるなんて、意外!キャベツの酢漬けやお肉のソース、ソーセージなど。いろんなところでクミンを味わいました。でもパンに入ってたときは驚きでしたけど。


2.ぼったくりは日常茶飯事!

まあね、チェコだけじゃなくどこでも起こることですが、頻発していたのでおもしろかった。

最初に違和感を感じたのは中心地でフルーツを買ったとき。200グラムほどのラズベリーと、マスカットをひと房。これでお会計が230チェココルナでした。そのとき、なんか高いかな?と思ったけれど、ユーロだと約10ユーロ、パリで考えたらまあまあ妥当な値段なので、そのまま購入。でもあとでほかのお店を見てみたら、せいぜい100コルナくらい。もしかして?という疑念はぬぐえずも、もう過ぎてしまったことだったので忘れることにしました。

次は観光地のど真ん中でペットボトルの水1本を買ったとき。ひとつ80コルネ(約4ユーロ)。これはさすがにないだろう!と思ったけど、買ったのはわたしじゃなかったので、その場で文句は言えず。だってスーパーだと10コルネもしないし、他のぼったくりショップでも3040。パリの観光地でもせいぜい2倍になるくらいなのに、8倍の値段設定ってどういうこと?その度合いにびっくりです。

さて、泊まったホテルはプラハ2区。繁華街からトラムで10分ほどの静かなエリアにあったのですが、その周辺のレストランは中心街の約半分の値段でした。そんな至近距離でもこれほど値段がちがうとは!

食べ物もそうですが、おみやげも買う場所を考えたほうがいいかもしれないですね。まあ、ぼったくられても、払う本人が納得して払うならいいんですが。あとで事実を知ってしまうと、ちょっとね。


3.やたらとマック、スタバが多い。

街に出ると、このふたつがやけに多いのに気づきました。マックはまだ分かるけど、スタバが500メートル歩くごとにあったりするのには驚き。チェコ人、好きなんでしょうか。

あと「マックまであと○○メートル」という看板も多い。それはファーストフードでもスーパーでもたーくさん。

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4.緑も多し。

トラムで街をまわっていると、公園や芝生、緑をよく目にします。そしてそこで休んでいる老若男女。わたしたちもそれにならって休憩していました。

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芝生に座っていると、緑のにおいと吹いてくる風が心地よくて、最高のリラックス。人も少ないし、心が休まります。


ただ、腰をおろすときには地面に注意!犬の落としものがそこらじゅうに。わたしは1度、座っちゃいそうになりました(でも座る前に気づいた)けど、公園だけでなく、歩道にもたくさん落ちているので、景色を楽しみながらも、足元には気を配らなければいけません。


いちおう、公共のゴミ箱には犬フン袋が備えつけてあって、飼い主さんに注意を促してはいるようですが、普及度は低いようです。



まあ、パリではみんな放置ですから、状況は同じなんですけどもね。

そうそう、パリには公園は多いけれど、芝生はすくないように思います。なので、猫の額の芝生にイモ洗いのごとくひしめき合って、ピクニックやごろ寝。そんなの落ち着かないじゃない?でもパリジャンたちに言わせると、そのひしめき合った感じがパリの趣なの?か、けっこう楽しんでるようではありますが。郊外にはブーローニュやヴァンセンヌの森があるとはいえ、自宅からは歩いていける距離ではないので、ちょっと寂しいです。


こんな2回目のプラハでしたが、改めてじっくり見てみると、同じヨーロッパでもこんなに違うか、と楽しくなります。今回はプラハだけでしたが、次回は田舎のほうや近隣諸国にも行って、またもっと違う発見をしたいなー、と思ってます。

Love Beer, Love Praha!


気がつけば、8月も、夏も終わりにちかづく今日このごろ。
みなさま、ごぶさたしております!

ここ1ヶ月ほど、フランス語漬けの毎日を送っておりまして、頭の中は動詞の活用からはじまり、リエゾン、エリゾン、新単語。いっぱいの日々でした。

そして土曜日からは一時小休止。たまたま同居人との休みが重なったので、国外へのリフレッシュ逃亡を企てることに。

行き先はプラハです。
チェコ共和国の首都、古き良き時代のパリが感じられるという街。たまたまおトクな航空券が見つかったからではあるけれど、ビールを思う存分味わいたいっていうのがあったし、チェコ雑貨も物色したかったし。にわかではありますが慣れ親しんだフランスの環境とすこし距離を置きたかった、という理由も無きにしもあらずですが。

そんなわけで滞在した4日間は、天気に恵まれていい気持ち!半そでサンダル当たり前。湿気もすこしあって久しぶりに汗をかき、ずーっと長いこと溜まっていたパリでのうっぷんがウソのように晴れていったのでした。



古き良き…といわれるだけあって、石畳のちいさな道が入り組んでいるプラハの街は、中世のような(たぶんね)雰囲気を感じられました。トラムが街中を走っていてそれがまたいい!



トラム、好きなんですけどねー。以前住んでいたコペンハーゲンにも、今のパリにも、トラムは普及してないのでした。

もっともパリ郊外にはありますが乗ることは少ないし、中心地にあったとしたら、車との事故が絶えない or 車の交通量が多すぎて渋滞→効率よくないでしょう。コペンハーゲンには100年ほど前まで存在していたけど、なぜかエジプトに車輌を売りとばしちゃったし。ほとんどのヨーロッパの国にはあるのにね。だから旅行ではトラムに乗るのもひとつの楽しみなんです。


そして、もちろんですが、チェコのビールも味わいました。だって、これが目的と言っても過言ではないんですもの。




ほかの国のビールと比べると、すこし苦みがあって、好みは分かれそう。でもお肉料理によく合うと思います。フランスの甘みの強いビールや、酸味があって軽い味のデンマークビールを飲み慣れているわたしですが、チェコビールの口と喉にくる苦みも、けっこう好きでした。

Pilsner Urquellというメーカーが1番有名ではありますが、メーカーごとに味わいが違って、それがまた楽しい。もうビール三昧。昼、夜、昼、夜…と十分なくらい味わいました。昼下がり、こんなテラスに座ってゆっくりビールを飲むなんて、ホントに贅沢!


本当は地ビールを置いているバーにも行きたかったのですが、実現できず。次回の楽しみにとっておこうと思います。


そうして夢のような4日間は終わり、戻ってみるといつもと変わらないパリの雑踏、運転の荒い車、飛び交うフランス語。戻ってきちゃったなぁという感じです。プラハはあんなに暑かったのに、パリでは秋のような涼しい風が吹いてるし。これはこれで、気持ちいいですけどねー。

まあ、ひと夏の思い出もできたし、想像以上にリフレッシュできたので、新学期を向かえる小学生の気持ちで、…でもすこし思い出に浸りながら、またフランス語がんばります!



2011/07/17

北欧草枕 デンマーク帰郷編

デンマークにいたのも思えばもう10日以上も前のこと…

ひょえーっ
時間が経つのは早いです。…あっまた同じこと言ってしまった。こう気づくたびに、毎日もっと有意義に生きなきゃ!と思うのですが、この調子でどんどん歳をとっていくような予感。

さて、ひさびさのデンマークはたいそういいお天気で、どうやら歓迎されちゃったんじゃないかなーなんてちょっと鼻高々。えへへ。


わたしがデンマークの地を踏む2日前、コペンハーゲンでは未曾有の大豪雨があったようで、道路、駅、お店やアパートなど、浸水被害にあったところは数知れず。友人も地下室に保管していた洋服や本がびっしょり使ってしまったようでした。その2日後でも街にはその爪痕が残っていて、水没によって営業できないお店も多く、街には少し荒れた雰囲気がありました。

今回は懐かしい人に会うための2日半。話題はもっぱら豪雨のこと。でも、皆さんお元気そうで、なにより、なにより。時間を見つけて懐かしい景色を見に出かけたり、コペンハーゲンに行ったら絶対食べたいトルコ料理(なぜ?でも他じゃ食べられないの)にいったり、アンティークショップでめぼしいものも買えたし、大満足であっという間にすぎてしまいました。

というわけで帰ってみたら、あれ?もうパリに着いちゃったの?という感じ。…だったんですが、デンマークのことで再発見。

やっぱりデンマークの乳製品はおいしい!

当時を懐かしんで、そして本当に乳製品がおいしいのか検証するために、ヨーグルトとバターを買って帰りました。…いやあ、文句なしのうまさです。

ヨーグルトはこれにハマっています。


yoggiのクリスプコーンフレーク(?)つきヨーグルト。実はスウェーデンの会社のものなんですが、探しても探してもフランスでは見つけられない!ので空港で4個買い。このヨーグルトの滑らかさ、甘すぎず、かつ酸っぱすぎない味、ほどよい牛乳の風味、たまりまへん。同居人によると、このコーンフレークのカリカリ感も絶妙らしいです。

バターはれっきとしたデンマーク産。


こんなラブリーなパッケージ、コレクターにはたまらんでしょう。パッケージ買いする人もいるかな。違う角度からもう1枚。


有機栽培印のバター。こくがあって、油っぽくない。本当に牛乳からできてるんだなっと実感するほど、牛乳の味がします。こく、滑らかさはもはやクリームといっても過言ではないくらい。


フランス産だって、きっとおいしいバターはあるんでしょうが、まだたどり着けていません。少なくとも普通のスーパーでは買えない気がする。デンマークではどこのスーパーでもハイクオリティ、しかも低価格の乳製品が買えるのがすばらしい。

ただ、こんなにおいしい素材がありながらも、レストランではうまく生かせてないというのが北欧の現状で、残念ポイントです。北欧では食に期待しちゃいけないってのは、理由のひとつとしてこれがあるんです。といっても、おいしいレストランだって(たまーに)ありますよ、巡りあいのラッキーだってあるわけですから。

というわけでデンマークに行ったら乳製品をスーパーで買って、その場で試してみることを二重マルつきでおすすめします。でもおいしすぎて付けすぎ注意!なんたって体験者は語りますですから。

ついでにノルウェーの牛乳、ヨーグルトパッケージも載せときます。



これはこれでナイスパッケージ。味もなかなかイケるものでした。デンマークのお隣といえども、やっぱりスーパーの中身やパッケージデザインに違いがあるのが楽しかった。

今回の旅で、北欧はわたしの心にばっちりフィットするんだってことも再確認できて、心癒される旅でした。そうそう、1番感動したのは、道路を渡るとき(横断歩道じゃなくても)、必ず車が歩行者を優先してくれるってこと。人を轢いてでも(?)むりやりハンドルを切ろうとするパリとは大違い。北欧人はなんだかんだ言っても気持ちにゆとりがあるのかな、っと感じました。

北欧は第2のふるさとです。またきっと帰郷します。

ではでは
Bon dimanche!