2011/09/07

コーヒーを淹れる


最近なんだか無性にコーヒーが飲みたくなります。

今パリには秋の風。その冷んやりした空気とコーヒーの苦い香りとの相性が、ぴったりに思えるからでしょうか。もちろん、冬のシンとした寒さと白い息にも、コーヒーは合いますが。

以前住んでいたデンマークで、すっかりコーヒー党になりました。デンマーク人もコーヒー大好き。しかもとっても濃いやつをなみなみ注いで。暗い冬の夜、コーヒー片手に本を読んだり、家族とおしゃべりしたり。そんな風にくつろぐひとときは彼らにとって最高の時間です。そう考えるとやっぱり、寒さとコーヒーって合うんだな、と納得しちゃいます。

フランスでは、初めてコーヒーを頼んだときにびっくり。ちゃんと「コーヒーください」と言ったはずなのに、エスプレッソが出てきた。…と思ったら、フランスの「コーヒー」はいつもエスプレッソなんですねー。手のひらよりも小さいカップに入ってるあれを、ちびちびすするのがフランス人。

こちらにきてもう半年近くになり、もう慣れっこになりましたが、初めはエスプレッソが苦手でアメリカン(…のようなもの)を頼んでいました。おかげで 'Cafe allonge, s'il vous plait.' という言い方も覚えられたのですが、あるとき出てきたものがこんな感じでまたびっくり。


ちょっと多めのエスプレッソと、お湯。
自分で好みに薄めてねってことなんでしょう。まあ、薄すぎるものが出てくるよりはいいのですが、これでいいの?って疑問に思いませんか。でも当たり前の顔で出されたら、逆にこれが本当のアメリカンなんだ、と思わされてしまいます。

フランス人は家庭でももちろんエスプレッソ。マシンさえあれば、簡単に淹れられます。ネスプレッソというメーカーが人気のようで、専門店では長蛇の列ができているのをしばしば見かけます。


この写真のような、カラフルなポーションをマシンにセットして、ボタンを押すだけなのでお手軽。何種類ものフレーバーが選べるのも魅力なんだと思います。

一方のわたし。そのエスプレッソマシンが家にありましたが、知人にあげてしまいました。慣れたといっても家ではやっぱり普通のコーヒーが飲みたいですから、いらないものは処分処分!

そしてパリに来る前からずーっと考えていたことは、コーヒー豆を挽いて飲むこと。日本でもフランスでも、お豆は売っているし、あとはコーヒーミルを買うだけ…と分かっていながらも、なかなか手が出ずにいました。…が、最近ついに実現!


この古びた感じ、お分かりでしょうか。中古です。しかもカビっぽいにおいのついた。でもいい味だしてる。

買ったのは、旅行先・プラハのがらくたショップ。まさに「がらくた」というにふさわしく、無造作に物が置いてあるアンティークショップでしたが、同行人とともに気に入ってしまい、2日間連続で通いました。ミルは同行人がひと目惚れ。しかも350チェココルナ、約14ユーロと、お買い得価格で即決でした。

さて、家に帰ってさっそく豆を購入。…したものの、ここからが長かった。まずドリッパーが家にない。今までインスタントコーヒーで省略していたので、道具が揃っていなかったのです。

前述のとおり、エスプレッソ中心のフランスコーヒー社会、わざわざ豆を挽いて、ドリッパーで淹れようなんて人は珍しいのか、探せど探せど見つかりません。百貨店にも台所用品屋さんにもない。すぐ買えるだろうとタカをくくっていたけれど、探し方が悪いのかドリッパーのドの字もなし。ドリップ方式で淹れる人はみんな、コーヒーメーカーを使ってるってこと?


そう、これ。ちなみにドリッパーはポットの上に乗せて、コーヒーを濾す道具です。

実はドリッパーもこだわって、カリタ式にメリタ式、コーノ式…とリサーチをして買うものを決めていましたが、そんな場合じゃない。見つからないんだもの。ええい、この際なんでもいいわい!…と思っていた矢先、絶対あるはずないと思って行かなかった近所のしがないスーパーにあったのでした。灯台下暗しとはこのこと。プラッチックの5ユーロのやつだけど、見つかっただけで万々歳です。

そしていざ、豆を挽くぞ!となったとき、また足りない物が…。それは紙フィルター。買っておいたのに、サイズが小さすぎて、ムリヤリでもれられないほどだったのでした。がっくり肩を落としてその日はあきらめ、翌日改めてフィルターを買いなおし、やーっとコーヒーにありつけたという具合。

そうしてれたコーヒーは、ちょっと苦労した分のサービス点がついて、なかなか満足のいくものでした。豆挽き初めてにしては合格点。調子に乗っておなかを壊すくらい飲みました。豆を挽くことの手間はすこしかかりますが、それも楽しい作業。美味しいコーヒーを淹れられるようにこれから研究しなきゃ、と思うこともまた、嬉しい。

だんだん暗く、寒くなるパリの秋ですが、しばらくは楽しい朝のひとときが過ごせそうです。




2011/09/05

チーズ三昧


パリは秋です。

今年は(…といっても例年を知りませんが、)ずーっと夏を待ちこがれていたのに、待てど暮らせど本格的な夏はやってこず。暑さが1週間と続いたためしがありませんでした。

この週末はすこし暑くなりましたが、それも結局最後の悪あがき。今吹いてくる風にはすっかり秋のにおいが混じっています。この際だからいっそのこと、ウェルカム・秋!すっぱり気持ちを切り替えて、秋を満喫しようじゃありませんか。


さて、本題は先週のはなし。

気持ちのいい秋晴れの中、友人・ミーさんと昼下がりのランチ&お茶へ。

ミーさんとはご縁があってパリで知り合ったのですが、彼女はわたしが日本で働いていたときの同僚・ユーさんのいとこ。出会ったきっかけはユーさんの妹さん・エーさんが偶然にもスイスに住んでいて、彼女がパリに遊びに来たときに、紹介してもらったのでした。こんな風につながっていく、人生って不思議。

ちなみに彼女は、夜中にイカをさばいたりするような、不思議な乙女です。(こんなこと書いちゃってよかったかしら…)

で、場所はパリ市内にある “Salon du Fromage HISADA”

1階は正真正銘のチーズ屋さん、たくさんのチーズの中から自分の好みのものを探すことができます。日本の方が経営しておられるお店で、親切な店員さんが日本語で相談にのってくれるのが安心です。

その2階部分には食事スペースがあり、もちろんお茶もOK。以前からここのチーズケーキが気になっていたので、念願かなっての訪問です。

でもその前に、ちょっと腹ごしらえ。ランチメニューのチーズビュッフェを注文しました。スタッフの方が選んだ数種類のチーズと、サラダ、パンのビュッフェです。

まずは前菜にガスパチョにチーズが乗った一品。


わぁキレイ。でもこのチーズの名前、、忘れてしまいました。まわりについてるのは青カビじゃないんだけど…なんだっけ。さっぱりトマト味に合う、コクのあるチーズでした。

そしてチーズビュッフェ。


ひと切れづつ取っていっても、けっこうのボリュームです。好きなだけ食べていいのですが、2回目はちょっと控えめにならざるを得ませんでした。

それぞれのチーズを店員さんが説明してくれて、そのときはちゃんと覚えていたはずなのに…。でもどれも美味しかった。チーズ好きとしてはかなり楽しめる内容です。

そしてついにデザートタイム。2種類のチーズケーキがあるというので、ひとつづつ注文してみました。

こちらが Gâteau d'Or「黄金のケーキ」という名前のチーズケーキ。


しっとりしていて、濃厚だけど重すぎず、酸味が効いていて美味しい。ぺろっと平らげてしまいました。

そしてこちらが変わり種、Tourteau Fromage(トゥルトー・フロマジェ)です。


シフォンケーキのようなふわふわしたケーキで、ヨーグルトのようなさわやかなお味。でもこれ、裏返すと…


黒い!不思議。

フランス西部、ポワチエ地方名物のケーキだそうです。この黒い部分は、食材うんぬんではなく正真正銘のおこげ。味をつけているわけではないので、本当に苦かったです。なんでも、ケーキ職人が間違って焦がしてしまった(だめじゃん)ことから作られるようになったとか。ここまでキレイに焦がすのは逆に難しいと思いますが、フランス人って器用なんだか不器用なんだかよく分かりません。

こんな感じで食べながら、しゃべってキャーキャー言っていたら、楽しくてあっという間に3時間も経ってしまいました。まだまだ時間が足りない気がしましたが、お店の方にもご迷惑だといけないので、またミーさんお茶してくださいね。

そして帰りには1階でチーズをいくつか買って、夕ごはんにはとろとろチーズのラザニアと、フレッシュチーズのサラダで、チーズ食べまくりの一日でした。楽しかった。